お腹が鳴る（グーグー・ゴロゴロ）

お腹の音（種類）

以下のようなお腹の音にお悩みではないでしょうか？
お腹が鳴るのは腸が動いているサインで、多くは心配いりません。
ただし、音が続いて気になる・痛みや下痢/便秘を伴う・生活に支障がある場合は、一度ご相談ください。

• グーグー
• ゴロゴロ
• キュルキュル
• グルグル
• ギュルギュル
• キュルル〜
• グーッ
• ポコポコ
• キュッキュッ
• プゥ〜（腸内ガスが移動するような音）
• ピチャピチャ（液体が動くような感じ）
• ブクブク（発酵しているようなイメージ）

など

空腹時の腸の動き
（空腹期収縮）

食べ物が胃や腸にない状態が続くと、消化管は次の食事に備えて蠕動運動を起こします。この「空腹期収縮」によって胃や小腸内の空気や液体が激しく動き、グーグーやゴロゴロと音が発生します。これは体が消化管を掃除する生理的な現象で、健康な人にもよく見られます。

食後の消化活動

食事をすると胃腸は消化のために活発に動きます。食べ物が胃や腸を通過するとき、消化液と混ざり合いながら移動することで音が生じます。とくに脂肪分や食べ過ぎは消化に時間がかかり、腸の動きが強まって音が鳴りやすくなります。

腸内ガスの増加

腸内の細菌は食べ物の一部を発酵させてガスを作ります。豆類やキャベツ、炭酸飲料などガスを増やす食品を摂ると、腸内に溜まったガスが動くことでポコポコやゴロゴロといった音がします。ガスの量が多いほど音も大きくなる傾向があります。

ストレスや緊張

ストレスや緊張状態は自律神経のバランスを乱し、腸の動きを過剰に活発化させます。また、緊張で無意識に空気を飲み込むことも多くなり、腸内に余分なガスがたまりやすくなります。結果としてお腹が鳴る頻度や音の大きさが増えやすくなります。

大腸がん

お腹が鳴る原因として大腸がんが関係することは稀ですが、可能性はゼロではありません。大腸がんが進行すると腸管の内腔が狭くなり、内容物の通過が妨げられることで腸の動きが不規則になり、お腹の音が増えることがあります。また、がんによる炎症や腸閉塞の初期症状として音が増えることもあります。しかし、お腹が鳴るだけで大腸がんを疑う必要は通常ありません。多くは良性の原因によるものです。血便・便が細くなった/便秘と下痢を繰り返す・体重減少・持続する腹痛や膨満感・貧血を指摘されたなどを伴う場合は、早めの受診をご検討ください。必要に応じて内視鏡検査を行います。

大腸がん

過敏性腸症候群（IBS）などの
腸機能異常

過敏性腸症候群では、腸が刺激に対して過敏に反応し、蠕動運動が強く頻繁になります。そのため、腸内の内容物やガスが大きな音を立てて動きやすく、お腹がグルグル鳴ることが増えます。ストレスや食事も症状を悪化させる要因です。

過敏性腸症候群（IBS）

感染性腸炎

細菌やウイルスによる腸の炎症で腸の動きが異常に活発になり、お腹が鳴ることがあります。下痢や発熱を伴う場合が多く、脱水に注意が必要です。症状が続く場合は医師の診察を受けましょう。

感染性腸炎

食物不耐症（乳糖不耐症など）

乳糖不耐症など特定の食べ物を消化できない場合、未消化の物質が腸内で発酵し、ガスが増えやすくなります。これによりお腹の音が大きくなったり、膨満感、下痢を伴うことがあります。

腸閉塞（イレウス）

腸管の一部が狭くなったり塞がることで、内容物の通過障害が生じます。激しい腹痛や嘔吐を伴い、腸の過剰な蠕動運動により大きな音が鳴ります。血流障害などを合併する場合は、緊急治療が必要になる病気です。

慢性膵炎・膵機能障害

膵臓の炎症や機能低下により消化酵素の分泌が減ると、食べ物の消化が不十分になり腸内でガスが発生しやすくなります。これが腸の動きを刺激して音が鳴ることがあります。

胆石症や胆嚢機能異常

胆汁の分泌や流れが悪くなると、脂肪の消化がうまくいかず腸内でガスが増加しやすくなります。その結果、胃腸の動きが活発になり、お腹が鳴ることがあります。

炎症性腸疾患
（潰瘍性大腸炎、クローン病）

腸に慢性的な炎症が起こる疾患で、腸の運動異常やガスの発生、腹部膨満感などを伴います。炎症により腸壁が刺激されてお腹の音が大きくなることがあります。

炎症性腸疾患

緊張しやすい・心配性な人

人前に出ると極度に緊張したり、ちょっとしたことを気にしてしまう性格の方は、お腹が鳴りやすい傾向があります。緊張によって自律神経が乱れ、腸の動きが活発になるためです。とくに「静かな場所で鳴ったらどうしよう」と意識することで、腸の動きに過敏になり、実際に音が出てしまうという悪循環が起こりやすくなります。

完璧主義・真面目な性格の人

「迷惑をかけたくない」「人にどう思われるかが気になる」といった思考が強い人は、身体の小さな反応に敏感です。そのため、お腹の音にも強い不安を感じやすくなります。また、常に気を張っていることで副交感神経が働きにくく、腸の緊張が高まり、音が鳴る一因になります。

ストレスを内にためやすい人

こまめに少量の食事をとる

空腹時は胃や腸が動いて内容物を先に送ろうとするため、音が鳴りやすくなります。これを防ぐには、空腹時間を長く空けないようにし、軽い間食（クラッカー、ナッツ、ヨーグルトなど）を取るのが効果的です。ただし食べ過ぎには注意してください。

ガスが出やすい食品を控える

腸内でガスが発生すると、グルグル・ゴロゴロという音がしやすくなります。豆類、キャベツ、ブロッコリー、炭酸飲料、ガムなどはガスを増やしやすいため、重要な予定の前などは避けると安心です。

緊張をほぐす・ストレスを減らす

緊張するとお腹の音に意識が向き、空気をのみ込みやすくなったり筋肉がこわばったりして、音が出やすくなることがあります。深呼吸、ゆっくりとした腹式呼吸、軽いストレッチなどで自律神経を整えると、鳴りやすさが落ち着くことがある。静かな場面でお腹が鳴るのを気にしすぎると、さらに鳴りやすくなるので注意が必要です。

姿勢に気をつける

猫背など前かがみの姿勢は腹部が圧迫され、腸内の空気や内容物が移動しやすく、音の原因になります。背筋を伸ばし、リラックスして座る姿勢を心がけると音が出にくくなります。

腹式呼吸で腸を落ち着かせる

腹式呼吸とは、鼻からゆっくり息を吸ってお腹を膨らませ、口からゆっくり吐いてお腹をへこませる呼吸法です。腸の動きを穏やかにする効果があり、ストレス軽減とともにお腹の鳴りを抑える助けになります。