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吐き気・嘔吐・悪心

吐き気・嘔吐・悪心とは

吐き気・嘔吐・悪心は、消化管のトラブルだけでなく脳・内耳・ホルモン・薬剤など全身性の要因でも起こる“気持ち悪さ”や実際に吐く症状の総称です。食べ過ぎや二日酔いのような一過性の不調から、胃がん・腸閉塞・脳出血の初期症状まで幅広く、原因の早期特定が重要です。当院では経験豊富な日本消化器病学会 消化器病専門医が、苦痛の少ない経鼻・鎮静下内視鏡や血液・画像検査を駆使し、迅速に原因を突き止め的確に治療します。

吐き気と悪心の違い

吐き気は「今にも吐きそう」「胃がムカムカする」といった不快感そのものを指し、正式に医学用語では、悪心や嘔気といい、胸や上腹部の不快感やムカムカを含むやや広い概念です。どちらも嘔吐につながる前段階の症状ですが、医学的には同じカテゴリーとして扱われることが多いものの、患者さんが自覚するニュアンスは異なります。胃や腸に問題があるときに起きやすい症状ではありますが、それ以外に原因がある場合もあります。症状が気になる場合や症状が持続している場合も、自己判断で様子を見ずに消化器内科に受診し、原因を調べることをすすめます。当院では症状の表現も丁寧に伺い、原因検索に役立てています。

嘔吐と悪心の違い

嘔吐は実際に胃の内容物を口から排出した状態、悪心は吐き気を含む前段階の症状の総称です。嘔吐が起こると電解質バランスが崩れ脱水を招きやすく、重症度が一段階上がると考えられます。悪心の段階で受診し原因を特定しておくことで、嘔吐や重篤な合併症を未然に防ぐことが可能です。

白い泡を吐くことある?

飲食物をとっていないのに白い泡状の嘔吐物が出るのは、胃酸や唾液が混ざった胃液が泡立ったものです。急性胃炎・逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニアなどでみられ、食べ過ぎやアルコール、ストレスで胃酸が過剰になったときにも起こります。泡だけでも繰り返す場合は、粘膜障害や食道裂傷の恐れがあるため早めの内視鏡検査をおすすめします。


吐き気・嘔吐・悪心の原因

急性胃腸炎
(ウイルス・細菌性)

嘔吐・下痢・発熱を伴いやすく、脱水に注意が必要です。汚染食品やノロウイルスの飛沫で感染します。胃腸粘膜の炎症が強いと血便や激しい腹痛を呈することもあります。水分補給と安静が基本ですが、高齢者や乳幼児は重症化しやすく、点滴治療や入院を要するケースもあります。症状が強い場合は早期受診が不可欠です。

機能性ディスペプシア/
慢性胃炎

内視鏡で明らかな異常がなくても胃の運動機能や知覚過敏が原因でムカムカや膨満感が続く疾患です。ピロリ菌感染・ストレス・乱れた生活習慣が関わり、制酸薬や漢方薬、生活指導が治療の柱となります。原因がはっきりしない吐き気が数週間続く場合は、まず内視鏡で器質的疾患を除外することが大切です。

逆流性食道炎

胃酸が食道へ逆流することで胸やけや酸っぱい嘔気が現れます。横になると悪化しやすいといわれています。食後2‑3時間は上体を起こす、脂質・アルコール・カフェインの制限、そしてPPIや胃酸分泌抑制薬が有効です。重症例ではバレット食道や狭窄を合併するため、内視鏡でのフォローが欠かせません。

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胃・十二指腸潰瘍

空腹時や夜間のみぞおち痛と吐き気が特徴的です。出血すると「コーヒー残渣様嘔吐」や黒色便がみられます。ピロリ菌感染とNSAIDsの関与が大きく、除菌療法とPPI治療が基本となってきます。穿孔や大量出血の危険があり、緊急内視鏡治療が必要になることもあります。

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胃がん

初期は症状が乏しいものの、進行すると食欲不振・体重減少・嘔吐を起こします。幽門部に腫瘍ができると食物停滞で吐き気が強くなり、繰り返す嘔吐や狭窄を来します。早期発見には定期的な胃カメラが不可欠です。

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腸閉塞(イレウス)

腹痛・膨満感と共に胆汁混じりの嘔吐がみられ、排ガス・排便が止まります。開腹歴や腫瘍、嵌頓ヘルニアなどが原因で、放置すると腸管壊死を招きます。CTやX線で診断後、イレウス管挿入や手術が必要となるため、早急な対応が求められます。

脳卒中・心筋梗塞

延髄や迷走神経への刺激により吐き気・嘔吐が出現することがあります。突然の激しい頭痛や胸痛、片麻痺、発汗を伴う場合は救急要請が必要な場合もあります。

妊娠悪阻(にんしんおそ)

妊娠5〜16週ごろに強い吐き気や嘔吐が続き、体重減少・脱水を引き起こします。点滴や入院管理が必要な場合があり、産婦人科との連携が不可欠です。

妊娠悪阻とつわりの違い

「つわり」は妊娠初期によくみられる吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状を指し、多くは時間とともに軽快します。一方「妊娠悪阻(にんしんおそ)」は、つわりの症状が強くなり、水分や食事がほとんどとれず、体重減少や脱水、栄養障害を伴う状態です。妊娠悪阻では入院や点滴などの治療が必要になることがあります。つまり「つわり」は軽度から中等度の一般的な症状を含み、「妊娠悪阻」は医学的な治療が必要となる重症の状態を指します。

吐き気が続くけど吐かない原因

吐き気は、日常のちょっとしたきっかけ(食べ過ぎ・飲み過ぎ・車酔い)でも起こります。思い当たる原因があり、取り除いた後すぐ楽になるようなら、まずは様子を見ても大丈夫です。
持続的な吐き気のみで嘔吐を伴わない場合、機能性ディスペプシア・妊娠初期・慢性胃炎・薬剤性胃炎・ストレス性胃腸障害などが考えられます。胃内容排出遅延(胃不全麻痺)や自律神経の乱れが背景にあることが多く、市販の胃薬で改善しないときは胃カメラ(内視鏡)・腹部超音波検査で器質疾患を除外しましょう。

吐き気の原因はストレス?

ストレスにより自律神経が乱れると、胃酸分泌亢進や胃運動の低下を招き、吐き気や胃もたれが起こります。とくに仕事や人間関係の緊張が続くと症状を繰り返しやすく、睡眠不足・暴飲暴食が拍車をかけます。ストレス対策に加え、胃酸抑制薬や漢方、心理的アプローチが有効です。


吐き気・嘔吐があり
熱がないとき考えられる原因

嘔吐と吐き気があるのに発熱がない場合、食事性中毒の初期・機能性ディスペプシア・逆流性食道炎・片頭痛・前庭障害・薬剤性胃炎などが挙げられます。感染性胃腸炎は発熱を伴うことが多いため、原因の見極めには内視鏡や血液検査が有効です。

元気だったのに
急に嘔吐した原因は?

食後すぐの嘔吐は食あたりやアレルギーや胃痙攣が関与していることが多いです。
空腹時の激しい嘔吐は腸閉塞や心筋梗塞の関連痛が隠れていることもあります。
また、小児・高齢者では脳出血やケトン性嘔吐の可能性も考えられます。
背景疾患がない方でも突然の嘔吐は要注意、早期受診が安全です。

胃痙攣とは

胃痙攣とは、胃の近くの筋肉が何らかの原因で痙攣を起こす状態を指します。腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が同時に現れることもあります。とくに腹痛は非常につらい症状です。これば病名ではなく、症状の呼び名です。


吐き気・嘔吐・悪心の症状

など


吐き気・嘔吐・悪心があるとき
の検査・診断

1)初診時評価

  • 問診:発症時期/誘因(食事・薬・飲酒・乗り物)/随伴症状(腹痛・下痢・発熱・胸痛・頭痛・めまい・下血)/既往(潰瘍・がん・手術歴)/妊娠可能性/服薬(NSAIDs・抗糖尿病薬・抗菌薬など)を丁寧に確認します。
  • 身体診察:バイタル・脱水・腹部圧痛・反跳痛・腸蠕動・神経学的所見。胸痛や神経症状を伴う場合は心電図や神経学的評価を同時に行います。

2)ベッドサイド迅速検査

尿検査(比重・ケトン)/心電図(胸部症状・高齢者)を行います。

3)血液検査

血算・電解質・腎機能・肝胆道系酵素・炎症反応、血糖を検査します。膵炎疑いではアミラーゼ/リパーゼ、出血疑いではヘモグロビン・鉄代謝を確認します。

4)画像検査

  • 腹部超音波検査:胆石・胆嚢炎、胃内容、腸管拡張の評価に有用です。
  • 単純X線:腸閉塞や穿孔の所見をスクリーニングとして行います。
  • 造影CT:閉塞・炎症・腫瘍・虚血などを精密評価(危険サインや重症例で実施)します。

5)内視鏡検査

  • 上部内視鏡(胃カメラ):食道・胃・十二指腸の炎症・潰瘍・出血・腫瘍・狭窄を直接観察し、生検で確定診断します。経鼻スコープ+鎮静に対応し、嘔吐反射が強い方でも安心です。ピロリ菌は迅速ウレアーゼ試験/組織・便中抗原などで評価します。
  • 大腸カメラ:下血・黒色便・体重減少・腹痛を伴う場合に適応を検討します。

6)感染・前庭・神経の評価

便培養・ウイルス迅速、耳石・内耳由来のめまい評価、激烈な頭痛や神経症状を伴う場合は頭部画像を含め救急対応を検討します。

吐き気・嘔吐で受診した際の
当日の流れ

検査可能な条件が整えば(絶食時間など)当日胃カメラも可能です(鎮静をご希望の方は付き添いの方の運転、自身での車の運転はお控えください)。検査後は画像をお見せしながら院内で結果をご説明します。大腸カメラ検査も最短で実施できるように計画します。


吐き気・嘔吐・悪心があるとき
の治療(治し方)

脱水・電解質異常の補正

軽症の場合、経口補水(少量頻回)を行います。中等症以上に関しては、点滴で水分・電解質・ブドウ糖を適切に補正。高齢者・基礎疾患ありは早めの点滴が安全です。

対症療法(制吐・胃腸機能)

制吐薬

状況に応じて消化管運動促進薬、ドーパミン拮抗薬、5-HT3 拮抗薬などを使い分けます(片頭痛合併では鎮痛・トリプタンを併用)。

胃酸関連症状

PPI/H2RA、粘膜保護薬を使用します。

乗り物酔い・前庭性

抗ヒスタミン薬等を使用します。薬の選択は年齢・持病・妊娠授乳を考慮し安全第一で行います。

原因疾患の治療

感染性胃腸炎

安静・補液・整腸薬、細菌性が疑われ重症の場合に抗菌薬を使用する場合もあります。

逆流性食道炎・潰瘍

PPI中心に治療、ピロリ陽性は除菌療法も検討します。

機能性ディスペプシア

生活指導(少量頻回・就寝前2–3時間は飲食を避けます。アルコール/脂質を控えめに、禁煙)、運動機能改善薬・漢方、必要に応じ心理的アプローチも行います。

妊娠悪阻

ビタミンB6や点滴、重症例は入院管理が必要です。産婦人科と連携します。

腸閉塞・出血・穿孔・腫瘍性狭窄

入院の上、イレウス管・内視鏡的止血・手術など専門治療が必要なことが多いです。

生活アドバイスと再発予防

食事

脂っこい料理・香辛料・強炭酸・アルコールを控え、消化の良いものを少量ずつ摂取しましょう。

体位

食後は2–3時間横にならず、就寝時は上半身をやや高くする姿勢が推奨されます。

服薬

NSAIDs等は自己判断で増量しない/継続が必要な薬は医師に相談してください。

受診の目安

血を吐く・黒色便・激しい腹痛・高熱・意識障害・止まらない嘔吐は至急受診を検討ください。

なかみち内科・内視鏡クリニック