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生活習慣病

―毎日の「くせ」が未来の健康を左右します―

生活習慣病とは

生活習慣病は、食事・運動・喫煙・飲酒・ストレスなど日々の習慣が長年にわたり影響し、血管や代謝に異常をきたす慢性疾患の総称です。高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などが代表で、放置すると心筋梗塞や脳卒中、腎不全といった命に関わる合併症を引き起こします。症状が乏しいまま静かに進行するため、早期発見と継続的な生活改善が何よりも大切です。当院では内視鏡診療で培った全身管理の視点を生かし、検査から治療・予防まで多面的にサポートいたします。

生活習慣病は何人に一人?

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40〜74歳の日本人でメタボリックシンドローム該当者・予備群は約2人に1人、高血圧や糖尿病が疑われる方も合わせると、成人の3〜4人に1人がいずれかの生活習慣病を抱えている計算になります。つまり「誰かがなる」ではなく「自分もなり得る」病気です。とくに富士市を含む静岡県は自動車移動が中心で歩数が少なく、塩分摂取量も全国平均より高めというデータがあり、早めの対策が欠かせません。当院では健診結果の読み解きから具体的な生活指導まで地域に根ざした支援を行っています。


高血圧とは

血圧が慢性的に上昇し、140/90 mmHg以上(家庭血圧では135/85 mmHg以上)が続く状態です。血管に絶えず高い負荷がかかるため、動脈硬化が加速し脳卒中や心不全、腎機能障害の最大要因になります。症状が現れた時にはすでに合併症が進行していると考えられます。重症の高血圧が長く続くと、自覚症状が出てきますが、そのときはすでに、合併症の病気がもたらす症状が体の異常を知らせています。進行するまでは、自覚症状がほぼない「サイレントキラー」と呼ばれる点が特徴です。

高血圧の原因

原因が明らかな二性高血圧と、原因が特定できない本態性高血圧に分けられます。高血圧の90%が本態性高血圧を占めます。本態性高血圧は、遺伝体質に加え、塩分過多・肥満・過度の飲酒・運動不足・ストレス・睡眠不足など多くの因子が大きく影響していると考えられています。
また二次性高血圧(腎血管性、内分泌性など)もあり、難治性高血圧となり臓器障害を合併しやすいため、若年発症や治療抵抗性の場合は精査が必要です。

高血圧の症状

頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ、肩こり、首筋のこり、目の充血などを感じる方もいますが、多くは無症状です。そのため症状ではなく数値で捉え、早期から管理することが重要となります。

高血圧が疑われるときの
検査・診断

血圧が高めに出た場合でも、必ずしも実際に血圧が高いとは限りません。病院で測ると血圧が高く出てしまう「白衣高血圧」なのか?を判断するために、皆さんに血圧手帳をお渡しして、普段過ごされているご自宅での実際の血圧を測っていただいて、次回の診察時に持参していただきます。

※白衣高血圧の場合には治療の対象になりませんが、今後の経過を定期的に観察していくことが大切です。

血圧を測るタイミングの目安

  • 朝(起床後1時間以内、朝食前、排尿後)
  • 夜(就寝前)

それぞれ、1回または2回測定してください。

高血圧の治療(治し方)

減塩(1日6 g未満(推奨))、野菜・果物を増やしたDASH食、適正体重維持、週150分以上の有酸素運動、節酒、禁煙、十分な睡眠が基本です。これらの生活改善で目標血圧に届かない場合は、複数の降圧薬を組み合わせて血圧をコントロールします。お薬の種類や量は年齢や臓器障害の有無に応じてきめ細かく調整いたします。家庭血圧の共有と定期的な微調整が長期コントロールの鍵です。


糖尿病とは

インスリンの分泌不足や作用低下により血糖が慢性的に高くなる病気です。I型糖尿病(自己免疫)、II型糖尿病(生活習慣+遺伝)、妊娠糖尿病などに分類されます。高血糖状態が続くと細い血管が障害され、網膜症・腎症・神経障害の“三大合併症”や心血管イベントを招きます。
現在治療中の糖尿病患者数と予備軍を含めると、推計が2,000万人といわれています。
(出典:国民健康・栄養調査/厚生労働省)

糖尿病の原因

糖尿病の原因には、遺伝的素因(体質)と環境因子(生活習慣)の2つが関与しています。
Ⅱ型糖尿病が約9割を占めており、運動不足、高脂肪食、加齢、ストレス、睡眠障害、家族歴が複合的に関与します。メタボリックシンドロームを中心とした肥満が増加したことが問題となっています。
近年はやせ型でも筋肉量低下と内臓脂肪蓄積が組み合わさり発症するケースが増えています。

糖尿病の症状

糖尿病の特徴は、多くの場合、自覚症状に乏しく発症時期は正確にわからないことがほとんどです。血糖値が300mg/dLを超えてくるようになってくると、口渇、多飲、多尿、体重減少、疲労感、手足のしびれ、視力低下などを自覚します。傷が治りにくい・感染しやすいといったサインも要注意です。

糖尿病が疑われるときの
検査・診断

糖尿病は全身疾患であるため、糖尿病関連検査は全身のあらゆる検査項目が重要です。
尿検査や血液検査で血糖値やグリコヘモグロビン(HbA1c:ヘモグロビンエーワンシー)などを反復測定します。腎機能、脂質、肝機能、甲状腺機能、眼底検査、尿中微量アルブミンも並行して評価し、合併症の早期発見につなげます。

糖尿病の治療(治し方)

食事療法は健康維持の基本ですが、糖尿病治療においても大切な根幹です。食事療法が不十分であると、血糖を下げる飲み薬やインスリン注射などで血糖値が低下しても体重増加を認め、肥満により再び血糖コントロールが悪化し、さらに血糖コントロールが困難となることもあります。
治療方針としては、食事療法(総カロリーの適正化・低GI食・たんぱく質と食物繊維のバランス)、運動療法(筋トレ+有酸素)を基本とし、必要に応じて血糖を下げる飲み薬やインスリン注射を追加します。合併症スクリーニングと自己血糖測定を組み合わせ、個別目標を設定しながら安全に血糖管理を行います。


脂質異常症とは

リポタンパク代謝の異常によっておこり、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、トリグリセリド(中性脂肪)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値に異常をきたす病態です。
リポタンパクとは、脂質が血漿中に存在する様態のことを言います。
動脈硬化の重要な危険因子であり、大血管障害のリスクを高めるので、そのほかの危険因子とともに総合的な評価を行い、しかるべき治療が必要と考えられます。

脂質異常症の原因

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取、肥満、運動不足、過度の飲酒、喫煙、遺伝性(家族性高コレステロール血症)などが挙げられます。糖尿病や甲状腺機能低下症、腎疾患が背景にあることもあります。

脂質異常症の症状

脂質異常症は、通常レベルでは症状はなく検査によって診断され、動脈硬化がその重要な合併症です。
ただし、遺伝性の脂質異常症(家族性高コレステロール血症)では、皮膚結節性黄色腫やアキレス腱肥厚を認めることがあります。
高トリグセリド血症が高度になると膵炎を合併することもあります。

脂質異常症が疑われるときの
検査・診断

LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド(TG、中性脂肪)の値に基準値が設定されています。
基本的には10時間以上の絶食を「空腹時」とし血液検査にて評価します。
LDLコレステロール140 mg/dL以上を高LDLコレステロール血症、HDLコレステロール40 mg/dL未満を低HDLコレステロール血症、中性脂肪150 mg/dL以上を高トリグリセリド血症と呼び、そのいずれかを満たす病態です。

脂質異常症の治療(治し方)

まずは、食事療法および運動療法による体重管理が基本です。脂肪摂取を制限し、食物繊維を多く摂ることもよいと言われています。
運動療法に関しては、中強度以上の有酸素運動を中心に定期的に行うことが推奨されています。1日の合計30分以上の運動を毎日続けることが望ましいです(少なくとも週3日は実施することが望ましい)。また、1日の中で短時間の運動を数回に分けて合計して30分以上としてもよいとされています。


高尿酸血症とは

尿酸は拡散の構成成分であるプリン体の代謝産物であるが、その産生と排泄の均衡が障害されることにより血中尿酸値が上昇した状態を高尿酸血症と呼びます。
血中尿酸値が7.0 mg/dL以上の状態で、結晶が関節や腎臓に沈着すると激痛発作「痛風」や尿路結石、腎障害を引き起こします。生活習慣病・メタボリックシンドロームの重要な構成要素と位置づけられています。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症の原因は、尿酸合成促進または尿酸排泄低下です。
高プリン体食(以下の表)やアルコールの過剰摂取、白血病などの血液のがんによるものがあります。白血病治療時に、一度に大量の腫瘍細胞が崩壊することで大量の尿酸が産生され急性腎不全を引き起こすことがあります(腫瘍崩壊症候群)。排泄低下型には、腎不全、利尿剤の使用などが原因となります。

食品中のプリン体含有量
(100gあたり)

きわめて多い(300mg~) 鶏レバー、干物(マイワシ)、白子(イサキ、フグ、タラ)、
アンコウ、タチウオ、健康食品(ビール酵母、クロレラ、
ローヤルゼリー、スピルリナ)など
多い(200~300mg) 豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、
オキアミ、干物(マアジ、サンマ)など
中等度(100~200mg) 肉(豚、牛、鶏)類の多くの部位や魚類など
ほうれん草(芽)、ブロッコリースプラウト
少ない(50~100mg) 肉類の一部(豚、牛、羊)、魚類の一部、加工肉類など
ほうれん草(葉)、カリフラワー
きわめて少ない(~50mg) 野菜類全般、米などの穀類、卵、乳製品、豆類、キノコ類、
豆類、加工食品など

プリン体の摂取量は1日400mg程度が推奨されています。

日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改定委員会編;高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン、第3班 p142 参照

高尿酸血症の症状

尿酸値が一定以上になると痛風発作のリスクが高くなります。
典型的な痛風発作では、足の親指の付け根が赤く腫れます、「風が吹いても痛い」状態で「痛風」の語源となっています。
尿路結石の疝痛発作では、突然の腰腹部痛や血尿を認めます。
無症候性の高尿酸血症であっても、近年は高血圧、糖尿病、肥満症などの生活習慣病、腎障害、脳血管障害との関連性が指摘されており、しっかりした管理は必要です。

高尿酸血症が疑われるときの
検査・診断

痛風患者さんの血液検査では、尿酸高値と炎症反応陽性(白血球高値、好中球高値、CRP高値)を示します。ただし、痛風発作時においては炎症性サイトカインなどの作用により、「血清尿酸値はむしろ低値を示すことがある」ので十分に注意が必要です。
痛風の有無にかかわらず、血清尿酸値が7.0mg/dL以上を示せば高尿酸血症と診断します。
尿酸値が高値で、尿中に尿酸が多く排泄される場合、尿酸結石ができやすくなっており、腹部超音波で結石の有無を調べることも重要です。

高尿酸血症の治療(治し方)

治療の基本は飲酒制限と肥満の改善のための食事療法が基本です。
合併症(腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなど)があればそれに応じて内服加療も行っていきます。
痛風発作を起こした人の場合、尿酸値は6.0mg/dl以下を目標にコントロールします。
また、処方する薬には尿酸を生成しないようにするものや、排出しやすくするものなどあり、患者さんの状態によって選びます。

なかみち内科・内視鏡クリニック