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左脇腹の痛み

左脇腹の痛みにお悩みですか?

左脇腹の痛みは、「少しの違和感だから」と見過ごされがちですが、原因はさまざまです。筋肉痛やガスによるものから、便秘といった一過性のものから、腎臓・膵臓大腸などの病気が隠れていることもあります。とくに、痛みが続く、強くなる、食欲低下や発熱、吐き気、便の異常などを伴う場合は注意が必要です。体のサインを見逃さず、「いつもと違う」と感じたときは、早めに医療機関へ相談しましょう。


左脇腹の痛みから
考えられる病気

①左上腹部
(肋骨の左下あたり)

胃潰瘍・十二指腸潰瘍
(上腹部~左寄りの痛み)

胃や十二指腸の粘膜に傷(潰瘍)ができる病気で、食後や空腹時にみぞおち~左上腹部に痛みを感じることがあります。胃もたれ、吐き気、げっぷ、食欲低下などの症状もみられ、放置すると出血や穿孔を起こすことがあります。内視鏡検査での診断と治療が必要です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

急性膵炎(左側寄りの上腹部痛)

膵臓の炎症によって、左上腹部やみぞおち周辺に強い痛みが生じることがあります。痛みは背中に放散することも多く、吐き気や嘔吐、発熱を伴うことがあります。脂っこい食事や過度の飲酒がきっかけになることがあり、早期に治療しないと重症化することがあるため、強い痛みが続く場合は受診が必要です。

脾臓の病気(脾腫・脾梗塞など)

脾臓は左上腹部に位置しており、炎症や腫大(脾腫)、血流障害(脾梗塞)などが起きると、左脇腹に鈍い痛みを感じることがあります。感染症や血液疾患が背景にあることもあり、発熱や倦怠感、貧血などの症状を伴うことがあります。脾臓は普段意識しにくい臓器ですが、持続的な左側の痛みがある場合は画像検査での評価が必要です。

*左上腹部といっても少し上の胸のあたりの痛みかわからないこともあります。
心臓由来の痛みであったり、左肺炎、左胸膜炎でも上腹部痛を感じることがあります。
咳や発熱を伴う場合は、呼吸器の病気にも注意をしましょう。

②左下腹部(大腸由来が多い)

大腸憩室炎(左側の下腹部痛)

大腸の壁にできた小さな袋(憩室)に炎症が起こる病気で、とくに左下腹部や左脇腹に鋭い痛みを感じることがあります。発熱や下痢、便秘、吐き気を伴うこともあります。軽症の場合は抗菌薬で治療可能ですが、重症化すると手術が必要になることもあるため注意が必要です。

過敏性腸症候群(IBS)

腸に明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や腹部の不快感、下痢や便秘を繰り返す病気です。ストレスや食事の影響で症状が悪化しやすく、左側の大腸(下行結腸)周辺に痛みを感じることがあります。排便後に症状が軽くなるのが特徴で、慢性的に繰り返す場合は診察を受けるようにしましょう。

過敏性腸症候群(IBS)

便秘(機能性便秘)

便が腸内に長くとどまることで、ガスや便がたまり、腸が膨張して左下腹部や左脇腹に痛みを感じることがあります。腹部膨満感や排便困難を伴うことが多く、水分不足や運動不足、ストレスが原因になることもあります。市販の緩下薬や食生活の見直しで改善することがありますが、慢性的な場合は診察を受けるようにしましょう。

便秘(機能性便秘)

腸閉塞(イレウス)

腸の通過が妨げられ、内容物やガスがたまることで腹部の張りや痛みが生じます。左側にガスが溜まると左脇腹に痛みを感じることがあります。吐き気や便が出ないなどの症状を伴い、緊急処置が必要になることもあるため、繰り返す腹痛や膨満感が続く場合は注意が必要です。

③腎臓・尿路
(背部~側腹部にかけて)

尿管結石(左側)

腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿管に石が詰まることで、強い痛みを引き起こします。左側の尿管に結石がある場合、左脇腹から背中にかけて突然激しい痛みが現れ、血尿や吐き気を伴うこともあります。痛みが波のように襲ってくるのが特徴で、自然排石することもありますが、薬や手術が必要なこともあります。

腎盂腎炎(左腎の炎症)

尿路感染が腎臓まで進行することで起こる病気です。左の腎臓が炎症を起こすと、左脇腹や腰に痛みを感じることがあります。発熱や悪寒、排尿時の痛み、頻尿などを伴うことが多く、抗菌薬による治療が必要です。女性に多い傾向があります。

④皮膚・神経・骨格筋

帯状疱疹
(皮膚の痛みとして現れる)

ウイルスの再活性化により、神経に沿ってピリピリした痛みやかゆみが出現します。左脇腹に痛みを感じ、数日後に水ぶくれ状の発疹が現れることがあります。皮膚に症状が出る前から神経痛として痛みを自覚するため、最初は内臓の痛みと区別がつきにくいこともあります。

肋間神経痛

肋骨に沿って走る神経が何らかの刺激や圧迫を受けて痛む状態です。左脇腹~肋骨周囲に「チクチク」「ズキン」といった鋭い痛みを感じることがあり、深呼吸や体の動きで悪化するのが特徴です。心臓や肺の病気と間違われることもあり、神経の炎症やストレス、姿勢不良が原因になることもあります。

⑤胆嚢・胆管疾患
(左というよりは、正中から右側腹部に多い)

急性胆嚢炎

胆嚢に炎症が起こり、右上腹部の激しい痛みが特徴ですが、放散痛として左上腹部や背中にまで痛みを感じることがあります。吐き気、発熱、右肩への放散痛などを伴い、胆石が原因のことが多いです。胆嚢が腫れたり感染を起こして重症化する可能性があるため、早急な診断と治療(点滴や手術)が必要です。

胆管炎

胆汁の通り道である胆管が閉塞し、そこに感染が加わると胆管炎になります。典型的には「右上腹部痛・黄疸・発熱(シャルコーの三徴)」が現れますが、痛みが広がることで左上腹部や背中に違和感が出ることも。放置すると敗血症に至る危険があり、緊急治療が必要な重篤な病気です。

胆石症

胆嚢や胆管内に石ができる病気で、多くは無症状ですが、石が詰まると右上腹部の疝痛発作(波のような激しい痛み)を引き起こします。痛みはみぞおちから左上腹部、背中、肩にかけて放散することも。吐き気や嘔吐を伴うことが多く、胆嚢炎や胆管炎の原因となるため、必要に応じて手術が行われます。


左脇腹の痛みの原因は
ストレス?

ストレスが直接“左脇腹の痛みを作る”というより、痛みを感じやすくしたり(痛覚過敏)・腸の動きを乱して症状を強めやすくすることがあります。とくに、内臓の働きを調整する自律神経が乱れると、腸の動きが不安定になり、過敏性腸症候群(IBS)や腸のガスだまりが生じて、腹部を中心に「張るような痛み」や「チクチクする違和感」として現れることがあります。この痛みが左側優位に出ると左脇腹の痛みとして感じます。
また、ストレスが続くと筋肉の緊張も高まり、肋間神経や背中・腹部の筋肉に関連する痛みを引き起こすこともあるといわれています。こうした痛みは、姿勢や深呼吸、運動で悪化することもあります。
器質的な異常がない場合でも、ストレスが原因で生じる痛みはしっかり対応が必要です。リラックス法や休息、必要に応じて医療機関の受診がすすめられます。

過敏性腸症候群


左脇腹に
つるような痛みがある原因は?

左脇腹がつるように痛む原因には、筋肉の痙攣がよくあります。長時間同じ姿勢を続けたり、運動不足や過度な運動による筋疲労、冷えなどが筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、つるような痛みとなります。また、過敏性腸症候群や胃腸炎などで腸の動きが乱れると、腸のけいれん(腸痙攣)を起こし腸内の内容物がスムーズに進めなくなり、腹部に突発的な痛みを感じることがあります。さらにストレスや自律神経の乱れも筋肉の緊張を招き、痛みの一因となることがあります。痛みが続く場合や激しいときは医療機関での診察をおすすめします。


左脇腹の痛みがあるときの検査

左脇腹の痛みがある場合、まずは問診や触診により痛みの場所や性質(鈍痛・刺すような痛みなど)を確認します。そのうえで、腸の炎症や腫瘍、腎臓や脾臓、膵臓の異常有無を確認するため、必要に応じて腹部超音波検査や腹部CT、尿検査、血液検査、レントゲン検査、大腸カメラを行います。なお、CT検査が必要な場合には、連携する医療機関をご紹介させていただきます。

大腸カメラ


左脇腹の痛みがあるときの
対処法

左脇腹に痛みを感じましたら、まずは無理せず安静にするようにしましょう。痛みが強い場合、動くことが悪化の要因となることがあります。また、消化器系の病気が原因の場合、脂っこいものや刺激物を避け、消化に良い温かい食事を心掛けることが効果的です。便秘やガスによる腹部の張りが原因の場合、十分な水分補給も痛みの緩和に役立ちます。筋肉や神経が原因の場合は、冷やすことより温めることで血流が促進され、痛みが和らぐことがあります。


左脇腹の痛みを
生じないための予防

痛みを繰り返さないためには、腸内環境を整えることが重要です。バランスの良い食事に加え、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を取り入れると腸の調子を良くします。ストレスも胃腸や自律神経の不調を引き起こすため、十分な睡眠や趣味の時間を持ち、心身のリラックスを心がけましょう。さらに、適度な運動は腸の働きを促進し、便秘やガス溜まりの予防に効果的です。日常生活では姿勢を正しく保つことも大切で、猫背や長時間同じ姿勢を続けると腹部の血流や神経に悪影響を及ぼすことがあります。

なかみち内科・内視鏡クリニック