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慢性胃炎・萎縮性胃炎と指摘された

健康診断で慢性胃炎の疑いと
指摘されたら

慢性胃炎とは、胃の粘膜の炎症が長期にわたり持続している状態をいいます。
慢性胃炎の背景にはピロリ菌感染や薬剤(NSAIDsなど)、生活習慣、加齢による粘膜の弱りなどが考えられます。症状の有無に関わらず、原因を確認することが大切です。
具体的には、(1)ピロリ菌の検査、(2)必要に応じて胃カメラ(上部内視鏡)で粘膜の状態を直接確認します。除菌が必要な場合は適切な薬物治療を行い、再発予防や胃がんのリスク低減につなげます。

慢性胃炎とは

慢性胃炎は、胃の内側を覆う粘膜で炎症が長く続く状態です。原因の最多はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)で、感染が続くと粘膜が傷み、分泌や運動機能が落ち、胃もたれ・胃痛・吐き気などが起こりやすくなります。その他、 解熱鎮痛薬(NSAIDs)や一部の薬剤、 アルコール過多・喫煙、ストレスや不規則な食生活、胆汁の逆流なども関与します。症状は軽い不調から無症状までさまざまですが、背景原因に応じて治療法が異なるため、まずは 原因の切り分けが重要です。

慢性胃炎の原因

ピロリ菌感染

最も代表的な原因。長期感染により粘膜が傷んで萎縮へ進むことがあります。

薬剤(NSAIDs など)

胃粘膜の保護機構を弱め、慢性的な炎症やびらんの原因となることがあります。

生活習慣

アルコール・喫煙・香辛料の摂取量が多いこと、不規則な食事や夜食、早食いなどが影響します。

ストレス・自律神経の乱れ

胃の運動や血流が乱れ、症状が長引く一因になります。

胆汁逆流・体質

手術歴や体質によっては胆汁の逆流や粘膜の弱さが関与することがあります。

慢性胃炎の原因はピロリ菌?

日本ではピロリ菌が関わるケースが最多です。ピロリ菌が胃に住みつくと、炎症が持続して粘膜の防御力が落ち、胃酸への耐性が弱まります。長期的には 萎縮性胃炎へ進むことがあり、除菌により炎症の鎮静や再発予防、胃がんリスクの低減が期待できます。まずは、血液抗体検査や呼気検査(尿素呼気試験)・便の抗原検査・胃カメラ時の迅速検査などでピロリ感染の有無を調べ、陽性なら保険診療で除菌を行います。

慢性胃炎の原因はストレス?

ストレスは 直接の「原因」ではないものの、胃の運動・血流・分泌を乱し、症状を悪化・長期化させます。とくに睡眠不足・過労・不安が続くと、胃の知覚過敏や運動低下が起こり、少量の食事でも胃もたれを感じやすくなります。ピロリ菌や薬剤などの主因を見逃さないよう検査で確認しつつ、生活習慣(食べ方、飲酒喫煙、睡眠、ストレス対策)を整えることで、症状のコントロールが良くなります。

慢性胃炎は治る?

原因に応じて改善可能です。ピロリ菌が陽性であれば、除菌により多くの方で炎症が鎮まり、症状の緩和や再発予防が期待できます。薬剤が要因なら中止・変更と胃粘膜保護薬で改善します。ストレスや生活習慣の影響が強い場合は、食事や睡眠の整え、必要に応じて機能性ディスペプシアの治療薬を併用します。長く続く症状や体重減少、貧血、黒色便などの警戒サインがある場合は、胃カメラでの精査をおすすめします。


健康診断で萎縮性胃炎の疑いと
指摘されたら

「萎縮性胃炎」は、胃の粘膜が薄くなり、胃酸や消化酵素をつくる力が弱くなっている状態です。背景にピロリ菌感染の既往があることが多く、胃がん発生リスクとの関連が知られています。無症状でも、まずピロリ菌の有無を確認し、未治療なら除菌を検討します。除菌後も、萎縮や腸上皮化生の程度により定期的な胃カメラ が推奨されることがあります。当院では、患者さんの年齢・家族歴・胃の状態をふまえ、フォローの間隔をご提案します。

萎縮性胃炎とは

長期の炎症により胃粘膜が薄くなり、胃酸分泌が低下している状態です。主因は、ピロリ菌感染の長期化ですが、まれに自己免疫性胃炎(体部優位の萎縮、悪性貧血の合併など)もあります。萎縮が進むと腸上皮化生(胃なのに腸に似た細胞が増える状態)が生じ、長期的な胃がんリスクと関わるため、状態に応じた 経過観察が重要です。症状は無症状〜胃もたれ、胃の張り感、食欲不振など多彩です。

萎縮性胃炎の原因

ピロリ菌感染の既往

最も多い原因です。除菌で進行は抑えられますが、萎縮・化生の回復は限定的なことがあります。

自己免疫性胃炎

自己抗体により胃の壁細胞が障害され、体部優位に萎縮します。ビタミンB12欠乏を伴うことがあります。

その他

加齢、体質、長期の粘膜傷害(薬剤・胆汁逆流など)が関与しています。

萎縮性胃炎の原因はピロリ菌?

日本では、最も重要な原因です。長期感染が続くと粘膜萎縮や腸上皮化生が進み、胃がんリスクと関連します。 除菌により進行抑制が期待できるため、まずは感染の有無を調べ、陽性なら治療します。

萎縮性胃炎の原因はストレス?

ストレスは胃の働きを乱し症状を悪化させますが、萎縮そのものの主因ではありません。ストレス対策は症状緩和には有用ですが、ピロリ菌の関与や粘膜の状態評価を優先し、必要に応じ胃カメラで直接確認することが大切です。

萎縮性胃炎の分類

萎縮性胃炎は「慢性胃炎」の中に含まれる状態で、長期の炎症により胃粘膜が薄く脆弱になったものです。

  1. 部位:前庭部優位の萎縮(多くはピロリ関連)、体部優位の萎縮(自己免疫性を含む)などで違いがあります。
  2. 程度:内視鏡的に萎縮の評価(木村・竹本分類)や必要時には病理所見(腸上皮化生の有無など)も用いて判定します。

萎縮性胃炎の分類は、萎縮が広範囲にわたるほど、胃がんのリスクが高まることが明らかになっているので、胃がんの発症リスクを評価するために非常に重要です。

萎縮性胃炎は治る?

除菌により進行は止めやすくなりますが、進んだ萎縮・腸上皮化生が 完全に元に戻るとは限りません。そのため、状態に応じて定期的な胃カメラをおすすめします。胃酸低下による消化不良には、消化薬や食事の工夫(よく噛む、小分け、脂質を控えめに)で対応し、ビタミンB12不足が疑われる場合は採血などで確認します。


慢性胃炎・萎縮性胃炎に関して
よくある質問

萎縮性胃炎があると必ず胃がんになりますか?

必ず胃がんになるわけではありませんが、一般の方よりリスクが高くなります。そのため、定期的に胃カメラを受けていただくことを推奨します。

胃カメラ

自覚症状がないのですが、検査は必要ですか?

胃炎や萎縮に関しては症状が出にくいことが多いです。症状がなくても、健診で指摘された場合は、定期的な内視鏡検査を受けるようにしましょう。

慢性胃炎や萎縮性胃炎を指摘された場合に、食事・生活習慣で気をつけることはありますか?

慢性胃炎や萎縮性胃炎を指摘された場合、以下の点に気をつけるようにしましょう。

  • 香辛料や刺激物、アルコールの過剰摂取を控えましょう。
  • 野菜や果物を中心としたバランスの良い食事
  • 喫煙を控える(喫煙は胃がんのリスクを高めます)
  • 規則正しい生活と十分な睡眠

慢性胃炎や萎縮性胃炎を指摘された場合、どのくらいの間隔で胃カメラを受けたほうが良いですか?

胃の状態やピロリ菌の有無によりますが、一般的には1~2年ごとに内視鏡検査を受けることを推奨します。患者さん一人ひとりの状態に応じて、適切な間隔をご提案させていただきますので、まずは当院医師までご相談ください。

萎縮性胃炎があるとビタミン不足になると聞いたのですが、本当ですか?

胃酸分泌が減ることでビタミンB12の吸収が悪くなることがあります。長期的には貧血(巨赤芽球性貧血)の原因になることがありますので、まずはご相談ください。

健診で萎縮性胃炎と指摘されたのですが、ピロリ菌検査は陰性ということもありますか?

加齢により胃粘膜は萎縮するため、ピロリ菌がいなくても萎縮性胃炎を生じます。ただし、リスクが少なからずありますので、定期的に胃カメラを受けるようにしましょう。

胃カメラ

胃もたれや胸焼けがある場合、萎縮性胃炎ですか?

胃の萎縮により消化機能が低下していることも一因かと思いますが、逆流性食道炎機能性ディスペプシアなど別の要因の可能性があります。症状が強い場合は、治療薬にて改善が期待できます。

なかみち内科・内視鏡クリニック