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便秘
(コロコロ便・少量しか出ない)

便秘とは

毎日出ていなくても便秘とは限りませんが、「排便回数の減少、便が硬い、快適に排泄できない」ことにより「過度ないきみ、残便感、肛門あたりの閉塞感、排便困難感」を認める状態のことが便秘と定義されています。
さらに慢性便秘症は、『慢性的に続く便秘のために日常生活に支障をきたしたり、身体的にも様々な支障をきたしうる病態』のことをいいます。
食物繊維や水分不足、運動不足、ストレスや生活リズムの乱れ、薬の影響(痛み止め・一部の降圧薬など)で腸の動きが鈍ることがあります。大腸の病気や甲状腺機能低下など体の病気が隠れている場合もあります。我慢せず、つらさや不安が続くときはご相談ください。

便秘は何日以上続くとやばい?

便秘にはかなりの個人差があり、「3~4日以上でない」「1週間近く出ない」だけでは判断できません。2~3日でも、それにより腹部の不快感や違和感があり不安な場合は、ご相談ください。
危険なサインとしては、強い腹痛・嘔吐・発熱、血便、体重減少、急に便が細くなった、40歳以降で急に便秘になった、などは注意が必要です。
長期に我慢すると腸閉塞や痔・裂肛の悪化にもつながってしまいます。 気になるサインを感じた際には、早めの受診を検討ください。


便秘の原因

原因として、一番念頭に置くべきは大腸がんです。進行した大腸がんの場合、大腸が狭くなるため排便がスムーズに行えなくなり便秘を引き起こします。大腸がんの除外には、大腸カメラが必要です。

大腸がん

便秘の原因となる疾患は、頻度の高い疾患から以下のようになります。

  • 糖尿病:自律神経障害が進行することで便通異常をきたします。
  • 甲状腺機能低下症:腸蠕動の低下による便秘をきたす。
  • 統合失調症やうつ病などの精神疾患:疾患そのもので便通異常を伴うこともあり、疾患の治療に用いる薬剤でも便秘を引き起こすことがあります。
  • パーキンソン病:慢性便秘症と関連があると報告されており、比較的早期から便秘の出現してくることも多いです。
  • 裂肛痔核などの肛門病変:排便困難・排便時痛から便秘をきたすことがあります。
  • 透析患者:腎機能正常者と比較して便通異常の頻度が高く、とくに便秘の頻度が高いと報告があります。

便秘の原因
(女性に多くある原因)

女性に特有の原因としては、腸の動きと女性ホルモンとの関係があげられます。
女性ホルモンの一つ、黄体ホルモンが腸管の筋肉に作用し、腸の蠕動運動を抑制します。
排卵後から生理にかけて便秘になる方が多いです。
腹圧の弱さも原因のひとつと言われています。腹圧が弱いと排便時にうまく腹圧をかけられないことがあります。筋力の低下は、腸管蠕動も鈍くなるため運動不足も便秘の原因となります。
ダイエットや小食も便秘の原因となるので、過度なダイエットにも注意が必要です。
貧血治療の鉄剤内服も便秘に関与しています。

便秘の原因
(男性に多くある原因)

男性に特異的な原因は多くありません。
加齢による蠕動を担う腸管平滑筋収縮性と神経活動の低下や直腸の感覚の低下などが便秘の原因になります。
食事に関しては、朝食欠食や肉類の多い食事、食物繊維の不足、水分摂取の不足などが関係します。飲酒による脱水や喫煙も便秘の原因となります。
糖尿病・パーキンソン病・脳血管疾患など神経の病気に伴う便秘も男性に比較的多く、長引く場合は背景疾患のチェックが大切です。


便秘の症状

  • 硬いコロコロ便/少量ずつしか出ない
  • 強くいきまないと出ない/排便に時間がかかる
  • 残便感・出し切れない感じ
  • お腹の張り(ガス・膨満)腹痛吐き気食欲低下
  • 痔・裂肛の悪化、排便時の出血
  • 下痢と便秘をくり返す(便秘型過敏性腸症候群など)
  • 食欲不振
  • 便秘に伴い吹き出物や肌荒れが生じる

など

便秘の危険な症状は?

次の症状があれば早めに受診してください。

これらは大腸がん・大腸炎などの器質的疾患の危険因子でもあります。
当院では鎮静下での苦痛の少ない大腸カメラに対応しています。


便秘があるときの検査・診断

問診と診察(腹部診察・直腸肛門診)、必要に応じて血液検査(甲状腺機能、電解質、糖尿病のチェックなど)や便検査を行います。警戒すべき所見である、40歳以降の新規発症・便潜血陽性・体重減少などのある場合は大腸カメラ(カメラ)で器質的疾患を確認します。当院では鎮静下での苦痛の少ない大腸カメラに対応しています。安心してご相談ください。

大腸カメラ


便秘があるときの
治療(治し方)

便秘の治療は、完全自発排便の状態へ導き、その状態を維持することとQOLの改善を目標にします。

生活習慣の改善や食事療法

生活面では、有酸素運動や腹部マッサージも症状改善に繋がる可能性があります。
日本人には米や豆類由来の食物繊維、ヨーグルトなどの乳酸菌食品も有効です。
十分な食物繊維摂取と合わせた適切な水分補給も排便を促します

プロバイオテクス

乳酸菌製剤(ビオフェルミンなど)・ビフィズス菌製剤(ラックビーなど)・酪酸菌製剤(ミヤBMなど)は、排便回数の増加や腹部症状の改善に有効です。

薬剤による治療

様々な種類の薬があり、便秘の病態に合わせて治療します。

浸透圧性下剤

腸内の浸透圧を高めて水分を引き込み、便を柔らかくして排便を促します。

  • 代表薬:酸化マグネシウム、ラクツロース(乳糖)、ポリエチレングリコール(PEG)製剤

粘膜上皮機能変容薬

腸管分泌や輸送能を高めて便通を整える、新しいタイプの便秘薬です。

  • 代表薬と働き:
    ルビプロストン:小腸での液体分泌を促進
    リナクロチド:腸管分泌・輸送を高め、腹痛などの腹部症状の軽減も期待
    エロビキシバット:胆汁酸の再吸収を抑えて大腸内の水分量を増やし、ぜん動を改善

膨張性下剤

水分を含んでふくらみ、便の量と柔らかさを増やします。

  • 代表薬:カルメロースナトリウム

刺激性下剤

大腸を直接刺激してぜん動運動を高め、排便を促します。

  • 代表薬:センナ、ピコスルファート、アロエなど
  • 注意点:腹痛や下痢を起こしやすいため、頓用または短期間の使用が基本です。常用は避け、他剤・生活改善と組み合わせます。

胆汁酸トランスポター阻害薬

小腸末端で胆汁酸の再吸収を抑え、大腸内の胆汁酸を増やして水分分泌とぜん動運動を高め、排便を促します。

  • 代表薬:エロビキシバット

消化管運動機能改善薬

腸の動きを整え、排便リズムを改善します。

  • 代表薬:モサプリドクエン酸塩

漢方薬

体質や症状パターンに合わせて処方します。

  • 代表処方:大黄甘草湯、大建中湯など

浣腸・坐薬

グリセリン浣腸、炭酸水素ナトリウム坐剤(腸内で二酸化炭素を発生し刺激)を用い、短時間での排便を助けます。

便秘には
水とお茶どちらが良い?

結論は「どちらでもOK、量と質が大事」です。カフェインの少ない飲み物や常温~温かい飲料をこまめに摂るのがおすすめです。緑茶やほうじ茶でも問題ありませんが、利尿が強い濃いお茶・エナジードリンク・アルコールは脱水を招き便が硬くなりがちです。朝起きてコップ1杯、食事ごとに1杯を目安にしましょう。

バナナは便秘に効く?

バナナは、食物繊維(とくに水溶性)とレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を含み、便を柔らかくし腸内細菌のエサにもなるため、便秘改善に役立つ方がいます。一方で体質や食べる量・熟度によってはお腹が張ることもあります。主食や野菜と合わせて“バランス”で取り入れるのがコツです。毎日1本前後を目安に、合わなければ他の果物や海藻・きのこで代替しましょう。

コーヒーは便秘に効く?

コーヒーは腸の動きを刺激して排便を促すことがありますが、飲み過ぎると利尿で脱水し逆効果になることもあります。空腹時の濃いコーヒーは胃腸刺激で腹痛・下痢を招く場合もあるため、1~2杯を目安に、食後に楽しむのがおすすめです。自分の腸の反応を見ながら量とタイミングを調整しましょう。

なかみち内科・内視鏡クリニック